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わかりあえなくても取り敢えずは惑星のように存在し合えるそんな状態

moratorium

中学に上がり 頭のいい同級生達は

ほとんど 隣の中学に行ってしまい

 

本来の校区内の

中学には

自分も含めて残念な頭脳をもった

平凡な生徒ばかりが集まった

 

僕は相変わらず 異常な本好きだったので

図書委員になって 昼休みや放課後は

図書室に篭り

毎日必ず本を借りて読みふけっていた

 

その頃好きだったのは古代史で

特に中南米マヤ文明の歴史

二十進法や暦、それから

貴族の文化について興味があった

 

 

マヤの貴族の子供は

頭をプリンプリン物語のルチ将軍のように

変形させられたり

両目の間に玉をぶら下げて

それを見つめさせられて

『寄り目』にされたり

 

っていうのを読んで

一体何を血迷ったのか

自分も『寄り目』くらいなら

やってみようなんて思ってしまい

 

時間さえあれば

両目の間に焦点を合わせて

『寄り目』の状態にしていた

 

 

さて 

僕は親のエゴで課外クラブをやめさせられ

放課後はすぐに帰宅せずに

図書室で時間をつぶしていた

 

 そこには上級生の方々もいて

いろいろと遊び相手になってもらえた

 

それでいろいろ知り合いが増えて

(いろんな意味で)変わった子が居る

と有名になり

上級生のクラスの前を歩いただけで

大騒ぎになる事態に

 

 

そのせいで毎年

卒業式の頃に行われる

『卒業生を送る会』という行事で催される

その年の演劇をさせられる事になった

 

それは『おんなの役

 

 

目立つ事の大嫌いな人間で

一応 男の子だったが、まだ声変わり前だった

 

猛烈に泣きながら先生に抗議をしたのに

やるしかない状況に追い込まれた

(今だとパワハラ&セクハラのフルコンボだよなぁ)

 

もう最初はふてくされながら

練習にはいやいや参加していた

セリフもやたら長いし増えていくし

アドリブでどんどんその内容も変わっていくし

もう毎日がいっぱいいっぱいだった

 

それでもなんか真剣に真面目に進んでいく

練習の雰囲気のなかである事に気づいた

それは自分の役がだんだん主役級になっていき

自分中心に物事が進んでいく快感

を知るようになった事

 

 

それで 

あれ?これってもしかして

面白いんじゃね?😃 と

 

 

 

 

 

 それまで結構 家庭環境的に

虐げられながら育ってきたので

 

新しい世界を知ってしまったんですよね

中学一年生にして

 

 

 

それから卒業式の本番まであっという間に

月日は過ぎて行き

その間だけは プチ芸能人のように

振舞っておりました

 

 

 

式も終わり

学年も上がって

 今まであったことは

なにもなかった事のようになり

 

女形をしたせいで

同級生にはまたいじめられたり

からかわれたりするようになり

また元の暗い

本好きの中学生に戻ったけど

 

 

それ以来、心の中深くに

モラトリアム(moratorium)

『学生など社会に出て一人前の人間となるのを猶予されている状態』

 

を 抱え込んでしまうようになった。

 

 

 

みんなのような大学生活を経験しないで

いきなり社会人になってしまった影響もあり

 

心の中で

まだ大人になりきれて居ない状態の

自分が存在している。

 

簡単にいうとそれが

今でも とても つらく 苦しい